「学生日本一」
同期でずっと口ずさみ、目指してきた「目標」。
入部当初、純さんや、カラさんから教わった「楽しいから勝つ」という言葉。今の「目標」を目指すにあたって何よりも重要な考え方だ。
今4年生として、最後のリーグ戦に臨んでいる中でようやく気付いたことがある。
それは緊張しているときほど意外にチャンスは目の前にあるということ。
特にチームの中でも自分はすぐに緊張してしまうほうだ。でもその緊張をも楽しむことができたら、それは自身のパフォーマンスを最大に発揮できている瞬間とも言える。集中し過ぎて80分が一瞬かのように終わり、勝利しているあの不思議な感覚。
Giant Killingを起こし「目標」を達成するには、成蹊の全員が相手チーム以上に緊張感を楽しめばいい。どんなに遠回りをしても結局は「楽しいから勝つ」という考え方に戻ってくる。本当に魔法のような言葉だ。
では「学生日本一」を目指すうえで自分自身に何ができるのか。
もうチームのみんなも分かっていると思うが、俺には「FO」しかない。それ以外は下手くそだし何もない。
今でも忘れられない試合がある。
それは2年時に出場したVS法政のリーグ戦である。相手は当時U22であった田村統馬さん。審判の笛が鳴った瞬間、自分の目の前にはもう統馬さんの姿は消え、いつの間にかブレイクでシュートを決められていた。
この試合は結果として負けてしまった。自分は何もできなかったという口惜しさは無論あったが、それ以上にFOにはセットオフェンスなどもいらず「たった5秒で得点のチャンスを演出することができる」こんな世界観があるのかと鳥肌が立った。
そこから「FO」に没頭した。
自ら統馬さんなど名の知れたFOerの方々に連絡を取り、他大学の練習に参加しては、ひたすら学んだ。
また後輩からは「加藤さん、よく何時間もこんなつまらない練習できますね」と言われることもあった。
しかしFOはボックス、観客すべての人々の視線を奪いシュートまで持ち込むことができる。練習は確かに地味だが試合では輝く。俺はこのポジションが何よりもロマンを感じるし、純粋に好きだ。
好きだからこそFOで貢献し「学生日本一」を掴み取る。これから何年経っても「成蹊のFOは強い」と言われるような基盤を残す。そして試合では破落戸らしく泥臭いFOで1本でも多くポゼッションを取る。
今はこのことしか頭にない。
残りのリーグ戦、全てを勝ち切りまずはFinal4への切符を掴む。
そしてすべてを出し切るのではなく、毎試合ごとに成長する。
1年生の頃、純さんやカラさんから指導いただき、毎日ラクロスのプレーが成長していったあの感覚。絶対に忘れない。
勝利を通して今までお世話になった方々に感謝を伝える。 必ず同期で掲げた「目標」を叶えたい。
#12 加藤史也
